既設のパルスジェット式バグフィルター集塵機へ

ろ布上部まで払い落とす。
コーンタイプで、集塵機の働きを見直す。

上部に残るダスト、送風機の電力、ろ布の擦れ。コーンタイプリテーナは、上部の形状を変えて改善を図る部品です。

爽ビレッジ・コンサルタントは、伸興産業株式会社の製品とメーカー資料を基に、現在の設備に適した仕様と導入方法を検討します。

自分の設備の導入条件を見る メーカー試験の結果を見る

形状を変えて、3つの働きを改善する。

ベンチュリーに代わり、リテーナ上部の内側に円錐状の部品を設けます。通常運転時とパルス清掃時で、その働きを分けて確認します。

01 ろ布上部まで払い落とす

メーカー比較試験では、コーンが上部の引き込み負圧を抑え、ろ布を外側へ膨らませています。上部に残っていたダストの払い落としを改善します。

02 ガスの流路抵抗を減らす

通常運転時は、ガスがコーンの周囲を通ります。ベンチュリータイプに比べ、上部の流路抵抗を小さくする構造です。

03 強い引き擦りを防ぐ

メーカー試験では、上部の引き込みによる強い擦れを防いでいます。ろ布の傷み方を確認し、交換負担の改善を検討します。

パルス時のろ布上部の比較。ベンチュリータイプでは内側へ引き込まれ、コーンタイプでは上部から外側へ膨らむ。
メーカー資料に基づく模式図。形状と動きを簡略化しています。実設備での効果は条件により異なります。
比較図を大きく表示 ↗

通常の接触や、温度・薬品・ダストによる傷みまでなくなるものではありません。噴射条件はろ布・設備の仕様に合わせて確認します。

参考: 伸興産業「従来品との比較」

試験結果は、測定対象と条件を合わせて読む。

数字ごとに、測っているものが違います。メーカー公表値を、御社の設備を検討する参考として示します。

送風機電力量

17%節約

伸興産業のカタログに掲載された、同社テスト機での比較値です。実設備での削減率を保証する値ではありません。

出典: コーンタイプリテーナ SK-7090C カタログ・印刷ページ5

必要な風量を維持したうえで、送風機の実測電力と制御方式を確認します。試算では削減率を仮定した概算と、導入後の実測評価を分けます。

吸引負圧:約64%改善

メーカー試験のろ布内平均値は、ベンチュリー −0.305 kPa、コーン −0.500 kPa。絶対値の増加率が約64%です。

集塵機全体の圧力損失や電力が64%減るという意味ではありません。ろ布φ164・1本、上部から200/3,000/6,000/9,000 mmの4点平均。

有効ろ過面積:約10%回復

ベンチュリータイプでは、長さ6,000 mmのろ布のうち、上部約600 mm(全体の約10%)で払い落としが十分に働かず、ダストが残ります。コーンタイプは、この上部の払い落としを改善し、ろ布が本来持つろ過機能の回復を図ります。

メーカー資料に基づく説明。約10%は、ろ布全体の面積に対する上部約600 mmの割合です。上部のダスト残りや改善範囲は、設備・運転条件によって異なります。

出典: メーカー比較ページ / カタログ・印刷ページ5

実機では、上部のダスト付着を比較。

伸興産業は、産業廃棄物焼却炉でコーンタイプとベンチュリータイプを比較しています。120日後、ベンチュリー側では上部のダストブリッジ、コーン側では払い落としによる剥離痕が報告されています。

試験条件
170℃/ろ布φ160 × 6,000 mm/パルス0.3 MPa・0.3秒/120日間連続運転/コーン55本・ベンチュリー275本

この試験は払い落とし状態の比較です。17%の電力量削減を示す試験とは分けて扱います。バイオマス発電所での効果は、ダスト・ろ布・運転条件を確認して評価します。

メーカーの試験写真と条件を見る

ろ布の交換方法で、導入工事と費用が変わります。

まず確認するのは、上抜きでろ布を交換する設備か、下抜きで交換する設備かです。ベンチュリーがリテーナ側に付くか、天板側に固定されるかによって、必要な工事が異なります。

上抜き式ではベンチュリーをリテーナと一体で取り外し、下抜き式ではベンチュリーが天板側に残る構造の比較図
交換方法と取付構造を示す模式図です。実際の形状・固定方法は設備によって異なります。 図を拡大する ↗ 新しいタブで画像が開きます。スマートフォンでは、開いた画像を2本の指で広げて拡大できます。

上抜きでろ布交換する設備

ベンチュリーがリテーナに付く構造では、一体で取り外し、コーンタイプのリテーナへの交換を検討します。

取付径・長さ・固定方法、噴射ノズルの位置、パルス配管の退避と作業スペースを確認します。

既設の天板を利用できる場合は、リテーナ交換を中心に導入を検討できます。

下抜きでろ布交換する設備

ベンチュリーが天板に固定される構造では、リテーナを下へ抜いてもベンチュリーが本体側に残ります。

この構造への対応では、既設ベンチュリーの撤去に加え、コーンタイプの取付に合わせて天板を新作する改造を検討します。天板の寸法・強度・固定方法と、撤去・取付の作業範囲を確認します。

リテーナ代に加えて、新しい天板の製作費、既設天板の撤去・処分費、取付工事費がかかります。上抜き式のリテーナ交換に比べて費用が増えるため、改造範囲と総額を事前に確認します。

交換方法が不明な場合も、集塵機のメーカー・型式、取付部の写真や図面から確認を始められます。

適合仕様・工事範囲・費用・納期を確認し、定期修繕やろ布交換の予定に合わせて検討します。

交換を決める前に、改善余地と費用を確認する。

次の交換予定と、いま困っていることをお聞かせください。図面や運転データがすべてそろっていなくても、分かる情報から始められます。

  1. 設備と課題を確認:交換方法、有効ろ過面積、差圧、送風機電力、ろ布の交換履歴。
  2. 仕様と費用を整理:適合寸法、交換・改造範囲、製品代と施工費。
  3. 導入前後を比較:同等の風量・負荷で、電力・差圧・払い落としと交換負担を評価。
年間コストと導入費の試算を見る

年間の電力費と保全費の変化を、導入費と合わせて比較します。

ベンチュリータイプとコーンタイプのろ布上部の動きの比較図
上抜き式と下抜き式のろ布交換方法・取付構造の比較図